本日2月21日でSkoop On Somebodyメジャーデビュー25周年を迎えます。本当におめでとうございます! 今回は、私が好きな2つのSkoop On Somebodyについて2回に分け5曲ずつ書きます。曲数マシマシです。
正直、非常に悩みました。不埒でセクシーな感じ、ワルでかっこいいのもいい、あったかいファミリー感も好きだし……上げたらキリが無いですが、結局、私が好きなSkoop On Somebodyって切なさと強さなんです。ということでまずは、1つ目の切なさから。
上手いんですよね。切ない曲が。特に、なにかが起こる5秒前の切なさみたいなものを描くのが、Skoop On Somebodyはすごく長けてる。
曲そのものはなにも起こっていないんです。でも、そのなにも起きてないのがいいんですよね。(大事な事なので2回)
まるで写真のように上手く、少し手前の瞬間を、曲に封じ込めてる。このあとなにか起こるんだろうなと思える、手前の曲がすごく好きなんです。そんな5曲を紹介します。
2編になるので、さっさといきましょう。
1曲目:想い(S.O.S. edition)
愛が友情を追い越して 二人を不安にさせるハザードが時間を止め 鼓動が早くなる
(作詞・作曲・編曲:SKOOP from"Nice'n Slow Jam")
とにかくこの綺麗なフレーズですよ。小説とかに出てきてもおかしくないんじゃない?と思えるし、見事に韻踏んでるから読み上げるとすごく気持ちいい。 好きな人には相手がいたから、ずっと胸にしまいこんで、蓋をしていた気持ち。そんな横恋慕の愛が呼び起こされて、友情が愛に変わろうとしているときを描いてる。 過ちと言える切ない恋を、わかっていても止められない気持ちを、心が完全に繋がってしまう5秒前を、とっても綺麗な物語として綴る想いの歌詞、最高です。
あと、想いといえば「確かめ合おう」だけ乾いた音にして際立たせて、左からピンポイントで聴かせるあれ。なにがすごいって、距離感がめちゃめちゃ絶妙なんですよね。完全に謀ってる。これを何事もなく平然と聴いていられる人、いますか?
何回聴いてるかわからないけど、聴く度に条件反射で俯いたり、口元手で覆ってたり、とりあえずなにかしらやってしまいます。やめてくだ……いや、なんでもないです←
2曲目:Butterfly
傾いていく午後の陽の中で 揺れる二人の影は哀しいButterflies 熟れた甘い果実の香りに もがいては飛び回る二人はButterfies
(作詞:小林夏海、TAKE 作曲:KO-HEY 編曲:SOS from"HELLO MELLOW")
せ、せつない。かなしい。せつなくてかなしすぎるのだけれども……ものすごく美しい。 引用したのは1番と2番のサビのワンフレーズですが、1番のサビで二人の影を蝶と表現して、2番のサビでは愛ゆえに苦しむ姿を果実と蝶に例えてる。 初見で情景がすぐふっと浮かんだあの日以来、美しさに心を奪われてます。 Butterfly、高濃度カカオチョコレートみたいな苦味のとても強い曲(こんな例え方ですみません;;)だと思います。
けど、なんなんでしょうね。気怠さを感じるサウンドは儚さを含んでいて、ビターで苦しいからこそ、手を伸ばしてももう届くことのない、どうにもならない渇望が……
泡沫の夢みたいな、幻想的な感じを帯びて心を奪う。
恋愛って必ずしも甘いわけではなく、ビターな部分も持ち合わせてます。終わってしまう5秒前の濃厚なビター感、深くて魅せられます。
3曲目:予感(feat. Akiko Kohara)
なんでこの二人はこうなってしまったのだろう
もう、終わってしまうのに、互いに終わってほしくないがすごく強くて、心に来るものがある。すれ違いが続いて、互いにどんどんボロボロになって。書いてるだけでも……ダメだ、泣けてくる。
また、この曲TAKEさんの歌声ヤバすぎるんです。役者さんの中に『役が憑依する』と例えられるような役者さんがいますが、TAKEさん完全に曲が憑依してる。ビブラートとは違う声の震え、悲しみに満ち溢れた声。トラックの切ない感じとのシンクロ率150%。
そして、歌声の持つグルーヴ感。ぐっとリズムに乗っていて、流れる感じがすごく気持ちいい。真ん中から聴こえるデュエットも、外側から両耳を包むように聴こえるコーラスも。全ての歌声が。
予感はButterflyと同じで終わってしまう5秒前を描いた曲ですが、サウンドは全く別世界が広がっているんですよね。イントロやサビなどに使われてるシンセには、何処か甘酸っぱい感じがある。
同じなのは手を伸ばしても届かない、焦がれる気持ち。
どうして、終わってしまう手前がこんなにも切なくも綺麗にみえてしまうんでしょうね。
4曲目:Summer Love
まず、言いたい。サビの語感が超絶エクセレント。
この語感の完璧な感じ。気持ちよすぎて審査員5人全員が100点満点で120点出してます。このリズムにずっと身を委ねていたい。
予感と似たようなこと書きますが、このグルーヴ感と、外側の歌声と真ん中の歌声の巧みな使い分け。これこそSkoop On Somebodyと言える音楽の一つです。他にない精巧さが素敵すぎるんですよ……(力説)
恋は終わってしまっているのだけれでも、自分自身の中ではどこか終わったことにできていなくて、過去にさよならを言おうとしてる5秒前。
頭ではわかっているのに、サビの最後に、I'm still dreaming goって強く願いながら歌う感じ……胸打つものがあり、とても好きです。
(でも、さよならと言えたとしても終わらないんだろうし、同じことを繰り返してしまうんだろうな……それがいいのだけれども。)
5曲目:CRAZY LOVE
どうにかなってしまいそうな5秒前ですよね。これ。 この瞬間を封じ込めた曲って……とってもずるい。こよなくずるい。なにこの驚異的なずるさ。
そっと君の背中から回したこの僕の両腕に いっそ君を閉じ込めてしまえたらいいのにね
(作詞・作曲:TAKE 編曲:中野定博 from「琥珀の月」)
特にこのフレーズ。閉じ込めてしまいたいじゃなくて、閉じ込めてしまえたらいいのにねって、諦めが強めなifの形に作ってるのが、ものすごく刺さる。切ない気持ちが、募るに募ってこぼれいくらのいくら丼並みに溢れてる。
あと、気付いている人もいるかもしれないですが……5:00ちょっと過ぎたぐらいのTAKEさんの漏れる声が凄まじくセクシーなので、ちょっと音量上げて聴いてください。
(※なお、気づいたら元に戻れないのでご了承下さい。)
サウンドやビートに音に人の感じがしない、無機質打ち込みサウンドが作り出す真夜中感。コーラスを厚くしてるけど、めちゃめちゃデジタルな感じに染めてるから、人の気配が無く完全に二人きりな感じがして、琴線にびんっびん響きます。
想いもだけど、胸の内側に留めているものを露にしてる曲、私はすごく好きです。
なんだろう……どうしていいのかわからない、言いたいけど言えない、不器用ながらも素直に伝えてる感じが抱く、切なさかな。ムズカシイ。
と、とにかく、いいんです!考えるな、感じろ。(完全に語彙力の消失)
以上の5曲でした。後編のSkoop On Somebodyの持つ強さについての紹介は、こちらから読めます。
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