ヘッドホンのむこうは、90年代でした。
Skoop On Somebodyの新曲"Coming 2 you"は再生して音楽の扉を開けた瞬間に、濃厚な90年代の空気を感じた。
……平成生まれが何言ってるんだと思われそうだが、私が住んでる本島中部は米軍基地との結びつきが特に強い地域で、随所でアメリカの空気を感じることができる。
"Coming 2 you"を聴いたとき、幼い頃に感じた空気感を思い出して、すごく懐かしくなった。
「空気感」とは肌で感じないとわからないもの。
特に、Skoop On Somebodyのメンバーは本気で日本にR&Bのよさを伝え広めたくて、音楽活動を始めた。
そのために徹底的にR&Bを味わい尽くしたからこその、この濃厚さ。
TR-808や90年代のシンセサウンドで緻密に作られたサウンドは、絶え間なく次々と音が聴こえてグルーヴを作っている。
大量に重ねたコーラスは、無機質な打ち込みに人肌感やぬくもりを吹き込んでいて、とても心地いい。
そして、TAKEさんの歌声。どこまでも伸びしろがある人だと思った。
恋の炎みたいな、なめらかでしなやかなだけどすごく芯がある高音フェイクって、そう簡単に聴けるものじゃないと思ってた……が、この曲ではそれが健在かつ音程が上下に動いて、全体的に歌声の揺らぎが増している。
熱のこもった歌声、素敵でした!
歌詞は、いつものことながら見惚れてしまうもの。特にいいなと思ったのが3つあります。それが……
ナデシコの香り誘われて
あなたの街へと流れていく
I'm Coming 2 you
いつかまいた種は夢を咲かせて
I'm Coming 2 you
甘い香りで僕達を
満たして欲しいから
ナデシコの花言葉って色々ありますが、トップに出てきたのが「純愛」でした。率直に言ってロマンチックだし、そのあとサビでの表現はすごくキレイ。
思ってたのと違うとき やりきれない事もあるけ 振り返る時があるなら それは笑顔だけいいから
時代が暗いからか、恋愛を歌った曲にこういった励ますような言葉が含まれてるものは、あまりないと思うし……私事ですが、文章と向き合ってるときは、やりきれないことだらけです。
でも振り返るように、過去の記事を読むと「書いていて楽しかった」という気持ちが浮かびます。それをすごく大切にしようと思った。
曲も歌声も言葉も、今の若い人達にはどうやってもこんな曲を作ることはできな……いや、国内だとSkoop On Somebody以外には作れないだろう。
ここからはMVに関してですが、辛辣な感想です。
※不快に感じる人は最後の「おわりに」まで飛ばしてください。
MVの雰囲気はよかった。が、なにかを履き違えたような……ズレを非常に感じた。
まず、音源を声に全振りしてR&Bの要とも言える低音をごっそり削ったものにしたのは、耳を疑った。
焼き鳥のタレを頼んだつもりが塩がきたぐらい違ってた。
媒体によって音源を変えるのは、どのアーティストもやっていることではあるかもしれないが、ここまで極端に変えたのは謎過ぎる。
映像に関しては、わざと画質を粗くした加工や16:9ではなく4:3の画面サイズで、懐かしさを感じる雰囲気にしたのはわかる。
そこに、画質がいい現代の東京や関東の映像、男女が映って、エモさをかき立てようというのもわかる。
しかし、メンバーの出番が少なすぎで他の情報量が多すぎてごちゃごちゃしてる。
他を省いてでもいいから、もう少しちゃんとメンバーを映してほしかった。
正直、KO-HEYさん脱退前みたいな凝ったMVは作らなくていいと私は思う。だって、音楽で勝負してるのがSkoop On Somebodyだから。
重ね重ねになるが……それでも、主役であるメンバー3人をもっと映してほしい。
おわりに。これを読んだ方へお願いです。正直な感想を3人や公式に伝えてください。
考え方は人それぞれ。私が絶対正しいなんて思っていないし、もちろん肯定的な意見もあると思う。
ただ、嘘をつくとシャツのボタンをかけ間違えたようなすれ違いが生まれて、お互いが苦しくなる。
ノーコメントでいることは、好きではなく無関心だと思われてもおかしくない。
どうか「よかった」「悪かった」だけで終わらず、何を思ったのか。ちょっとだけ向き合って考えて、ラジオのメール、SNS、YouTubeコメント……なんでもいいので、あなたの気持ちを3人にしっかり伝えてください。
ブログ右下のいいね💓あるとすっごく嬉しいです。どんどんお願いします!
そして、ヘッドホンといっしょ🎧は、Twitterアカウント( @with_headphone )もあります。
更新情報等をツイートしてますので、フォローよろしくお願いしますm(_ _)m
コメント